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特別インタビュー メキシコ日本商工会議所・河野事務局長「オンライン活動を通じて日系企業の影響力を実感」

  • 2021年12月6日
  • 読了時間: 11分


こんにちは。今回は特別インタビューとして、メキシコ日本商工会議所・河野事務局長にお話しを伺いました。


メキシコ日本商工会議所(通称カマラ)は、会員企業の方はもちろん、非会員の方でもFacebook等を通じて、カマラの活動や求人情報などでメキシコ生活で大変有益な情報を提供しています。設立当初から現在に至るまでの会員企業の動向や、2021年にカマラが行ってきたこと、来年に向けての抱負を伺いましたので、是非最後までご覧ください。

<目次>

設立当初は約30社、2021年現在は525社にまで増加した会員企業数


ーメキシコ日本商工会議所の事業紹介をお願いします。

河野事務局長:メキシコ日本商工会議所(CÁMARA JAPONESA DE COMERCIO E INDUSTRIA DE MÉXICO, A.C.、以下カマラ) は1950年に設立された貿易懇談会を前身に、1964年、会員間の親睦、その利益の擁護と増進、日墨経済交流の促進への寄与を目的として創設されました。


設立当初の会員数は30社ほどでしたが、2021年現在は525社になりました。特に会員数が増えたのは直近の10年間で、ほぼ2倍に増えました。その理由の一つとして、2005年に日墨EPA条約が発効されたことがあり、自動車産業のメキシコ進出が加速しました。


会員企業の所在地ですが、以前は首都圏所在の会員が大多数を占めていましたが、2013年以降は首都圏外所在の会員数が上回り、2021年現在ではグアナファト州・アグアスカリエンテス州・ケレタロ州所在の会員数が全体の会員数の約半分を占めています

業種別に見ると、自動車・部品関連が36%となっており、自動車産業に関わる企業の方がほぼ4割から5割近くを占めています。

 

こうした傾向を踏まえてカマラでは、メキシコシティの本部に加え、グアナファト州・イラプアト市に2014年、ケレタロ州・ケレタロ市に2018年に支部を設立し、それぞれの支部が地域と密接な活動をしています。


事務局の職員はメキシコシティの本部事務所7人、バヒオ支局イラプアト事務所4人、ケレタロ分室1人の 合計12人でカマラの活動の運営・サポートしています。


事務局の役割は基本的にカマラの活動のサポート役および運営です。カマラには2支部/17委員会-勉強会がありそれぞれ会員企業様に参加して頂き活動しています。


17の委員会活動では、情報共有だけではなく、メキシコシティの本部が行う連邦政府のロビー活動や、それぞれの州の当局などにも、地域に密着したニーズのロビー活動を行っています。

また、会員間の親睦をはかるために、ゴルフコンペや日帰り旅行、ソフトボール大会やドッジボール大会の開催なども事務局でサポートしています。


活動のオンライン化で、会員企業の必要とする情報提供を行う


ー2021年のカマラの活動について教えてください。


河野事務局長:COVID19のパンデミックが始まった2020年3月から、カマラでは活動のオンライン化を進めてきました。2021年を振り返ると、コロナ関連の情報を会員企業にタイムリーに提供することが重要課題でした。カマラのウェブサイトにCOVID19のセクションを設け、メキシコシティのみならず、会員企業が多く所在している州の感染状況・病床状況を定期的にアップデートしたり、ワクチン接種関連の情報提供をしました。感染状況だけではなく、メキシコのCOVID19に関する報道をレポートとしてまとめて、定期的にアップデートしていきました。


ウェブサイトに加えて、COVID19関連の情報をメールでも提供しました。これまで累計300通以上のメールをお送りしてきました。また、会員企業がどのような状況にあるのか、どのような点で困っているのかのアンケート調査を10回実施し、まとめたレポートの共有を行いました。


COVID19のパンデミックが本格的にメキシコでも流行した2020年4月頃、ロックダウンということで、経済活動が止まりました。不要不急の経済活動として、自動車産業が外されてしまったことをうけ、メキシコの経済団体と誇張を合わせ、メキシコ経済省等に自動車産業の操業を認めてほしいロビー活動を行いました。こちらに関してはその後、ある程度の結果が出せたと考えています。


直近では、カマラのウェブサイトにワクチン接種証明書特別申請フォームも設けました。

11月8日からアメリカへの入国時にワクチン接種証明書が必要になり、「接種を受けたけれども、証明書の発行が出来ない・記載内容に間違いがある」という方のサポートしています。申請フォームから情報をいただき、カマラで情報を纏め保健省に出向き、接種証明の発行をサポートしています。この件に関しては、個人・法人問わず多くの方々が困っている点でしたので、そうした方のお力に少しでもなれればと思ってます。


日系企業の影響力の大きさを感じたオンライン形式のキャリアフォーラム 

ーウェビナーをこれまでに数回開催されていますね。開催後の手応えはいかがでしたか。


河野事務局長:通常通りメキシコに進出してきている日系企業の活動サポートをしてきました。今年でいえば、企業に影響がある話題、例えば労働法の改正関連のウェビナーを開催して情報を提供しました。労働社会保障大臣を招いたウェビナーには、多くの企業様に参加いただきました、パンデミック当初はウェビナーの運営方式に戸惑いはあったものの、徐々に浸透し、手応えは感じることが出来ています


キャリアフォーラムの様子(写真は2019年開催時)


他に手応えを感じた活動の例として、オンライン形式で開催したキャリアフォーラムが挙げられます。COVID19以前はヌエボ・レオン州のモンテレイ市とグアナファト州・レオン市で就職フォーラムを開催し、求人をする企業とのマッチングの場を設けていました。


2020年は開催を中止せざるを得ませんでしたが、2021年はオンラインという形式でカマラのウェブサイトに特設ページを開設し、求人情報を掲載しました。これまでは都市が限定されていましたが、オンラインになったことで、メキシコ全国からもアクセスがあり、特設ページのビジターはこれまで3万アクセスを超えました。改めて、日系企業がメキシコで持つ重要さを影響力の大きさを実感しました。日系企業で働くということはどういうことなのか経験談的なものを提供するウェビナーには、参加希望を2000人以上もいただきました。  


また、カマラは他の団体(国際交流基金、メキシコ国費学生協会、メキシコ自治工科大学

(ITAM)、メキシコ国立自治大学(UNAM)など)と足並みをそろえた活動も行っています。2015年から我々も参加している次世代リーダーズ・セミナーでは、若手のメキシコ在住のメキシコ人・日系人・日本人の方を公募で募集し、毎年10人ほどの若いリーダーの方々を集めて異文化間のコミュニケーションの方法や日墨の橋渡し役になるにはどうしたらいいかなどをディスカッションするセミナーを行っています。今年6回目が終了し、これまでに卒業生が60人くらいいます。その卒業生がウェビナーを開催し、ここでもオンラインの活動の広がりと日系企業の影響力の大きさを感じました。2015年から開催してきたリーダーズセミナーの結果をある意味出せたと思いますので、来年以降も続けてやっていきたいです。 


オンラインセミナーを通して、メキシコ全国・国外からの参加も増加


ーオンライン活動によって、会員企業も全国に広まりましたね

河野事務局長:COVID19以前から、カマラでは、どのようにしたら活動を全国に広めることができるのか・全国に広がる方の活動をどうサポートできるかが課題でした。しかし、オンライン化を進めることによって、例えばメキシコでの本部例会はCOVID19前は対面式で首都圏外の会員の参加は困難でしたが、オンライン化をしたことによってメキシコ全国はもちろん、国外の方も参加できるようになりました。


結果として本部例会の参加者はパンデミック以前と比較し1.8倍ほど増え、結果としてオンラインの利点を生かした活動ができたと思っています。また、これまでは対面式で中々都合が合わなかったという方でも、オンラインで参加できるという手軽さを活かして参加するようになった方も増え、参加者の幅は広がるようになりました。 

ー2021年に入会した会員企業はどのような企業が多くみられましたか。

河野事務局長:2021年の入会した会員企業は、引き続き自動車産業に関わる方が多い傾向ですが以前と比べて自動車産業以外の多岐にわたる業種の方の入会もありました。カマラは入会企業を日系企業とは限定していないため、メキシコ企業の入会も少数ではありますが見られます。 


アメリカに所在地のある日系企業の方からは、「以前からカマラに入会することを考えていたけれど、国外から参加してもうまく活動できないのではないか」と考えていた方もいましたが、オンライン活動を通じて、入会されたケースもあります。

2021年にできなかった親睦会などを、感染対策をとりながら実施したい


過去の例会などの様子。

2022年はこのような対面式を徐々に復活していきたい


ー2022年に向けての抱負をお話しください。


河野事務局長:COVID19がある程度の収束を見ているので、11月19日のメキシコ本部例会から対面式、集合式のイベントを再開しました。大人数が集まる親睦会等はまだ検討中ですが、徐々に第4波や感染症対策に気を付けて、対面式を復活していきたいです。


長く続いたCOVIDですが、やっと収束が見えてくるようになりました。コロナ禍でもカマラ活動を継続できたのは、会員企業の方からのご協力があったからです。会員企業様の協力に応える上で、ニューノーマル下の活動再開、また、AMLO政権も後半に入る2022年に向けて様々な課題解決をし、会員企業のサポートを一層強化し実現するために他のメキシコの経済団体、他国の商工会議所に働きかけをしていこうと考えています。


また、COVID19禍できなかった会員間の親睦を図る活動、会員間のネットワーキングの場はやはり再開したいですね。特に駐在員の方々でご家族帯同で来ている方については、家族の方が参加できるイベント(ソフトボール大会、日帰り旅行)を実施したいです。

2021年はオンラインの利点を生かせました。来年以降、対面式に戻っても、オンラインの利点を生かした活動も並行して行い、メキシコ全国をサポートできるようにしていきたいです。


ー最後に、在留邦人の皆様へのメッセージをお願いします。


河野事務局長:会員の方々の経済活動のサポートがカマラの第一の目的です。日系企業の経済活動の拡大・成長はその地域の雇用の拡大につながり、地域経済が成長する、そしてメキシコの成長につながります。しかし、企業の経済活動が拡大・成長する為には文化の交流、企業間や日系コミュニティ、地域のコミュニティとの交流が不可欠だとも考えています。

日墨交流の促進のお手伝いもできればいいと思っています。皆様とコロナが収まった後に対面でお会いできることを楽しみにしております。

 

ー本日は、ありがとうございました。

経歴:

Takashi KAWANO / 河野 隆

Director General / 事務局長


大学卒業後、日本で中南米担当として中南米諸国を訪問。95年からメキシコ駐在。コロンビアへ4年間駐在を含めメキシコ・中南米でのコンシューマー・エレクトロニクスの営業・マーケティングに従事。2018年からメキシコ日本商工会議所事務局長を務める。2019年から日本メキシコ学院理事(現在副理事長)を兼任。チリ生まれ。人生で一番長く住む街はCDMXとなる。

編集後記


2020年3月以降、オンラインでの会合やセミナーを積極的に開催されていることで、会員企業のサポートをされていたカマラ。非会員の方でもFacebook上でセミナーのお知らせや求人情報を見て、役に立った方が読者の中でもいらっしゃると思います。また、オンライン利の点を活かしたことで、メキシコ国内のバヒオ地区やメキシコシティなどの首都圏以外の参加を増やしたいというカマラの課題の解決に近付いたことや、キャリアフォーラムの特設サイトに多くのアクセスが来て、日系企業の影響力が大きい事を実感したこと、が印象に残りました。

オンラインは対面に比べると確かに不便なところも感じますが、そうした手応えがあったことを考えると、引き続きCOVID19が収束した後でも、オンラインと対面式のハイブリッド方式が主流になるのではないでしょうか。


今回インタビューに応じていただいた河野事務局長からは、会議所の活動からオンライン活動の手応え、邦人の皆様へのメッセージなど一つ一つ丁寧に、分かりやすく答えていただきました。来年は是非、懇親会などで会員企業の親睦がより深まることを編集部も祈っています。

メキシコ日本商工会議所






ウェブサイト:https://www.japon.org.mx/ja/


(お問い合わせ先)

メキシコ本部事務局 住所:Fujiyama 144, Col. Las Aguilas, Del. Álvaro Obregón, C.P. 01710 Cd. de México ※日墨協会(Asociación México-Japonesa)敷地内 開所時間: 月~金 8:30~13:30、14:30~17:30 E-mail(日本語): camjapon@japon.org.mx E-mail(スペイン語/español): camjap@japon.org.mx Tel: +52 (55) 5593-2020, 2727, 2828 バヒオ支局イラプアト事務所 (グアナファト支部活動対応) 住所:Calle Héroe de Nacozari 1655, Interior 1 y 2, primer piso, Col. Las Heras, Plaza Delta C.P.36557 Guanajuato 開所時間: 月~金 8:30~13:30、14:30~17:30 E-mail(日本語&スペイン語/japonés & español): camarabajio@japon.org.mx Tel: +52 (462) 624-1700 バヒオ支局ケレタロ分室事務所 (ケレタロ支部活動対応) 住所:Blvd. Bernardo Quintana 2001 Centro Sur, Corporativo 1, Piso 15A, Centro Sur, C.P. 76090 Santiago de Querétaro, QRO※VAEO内 開所時間: 月~金 8:30~13:30、14:30~17:30 E-mail(日本語&スペイン語/japonés & español): camarabajio@japon.org.mx Tel: +52 (442) 291 -9038


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