お菓子作りは“結果が見える喜び”―メキシコで15年、甘い幸せを届け続けて Mari’s Pastry・マリさんインタビュー
- Shoko Wen
- 5月26日
- 読了時間: 6分
メキシコシティにて、手作りスイーツで多くの人の心を掴んでいるMari's Pastry。そのオーナー兼パティシエであるマリさんに、メキシコでお店を開くまでの道のりや、異国の地で感じた文化の違い、人気のスイーツ、そしてこれからメキシコで活躍を目指すパティシエへのメッセージを伺いました。
<目次>
メキシコでお店を開くまでの道のり

―まずは、マリさんがメキシコでお店を始めるまでの経緯を教えてください。
マリさん:もともと子どもの頃からスイーツ作りが好きで、家庭でもお菓子を作る環境に恵まれていました。母がたくさんのレシピや器具を持っていたので、自然とお菓子作りに触れて育ちました。
ただ、日本ではそれを仕事にするという風には考えなかったので、普通に大学を出て、就職しました。でもその後「海外で暮らしてみたい」という夢があり、5年働いたあとにワーキングホリデーでカナダ・モントリオールへ行き、2年滞在しました。モントリオールはフランス文化の影響を受けた移民の多い地区です。移民が多いのでいろいろな文化が融合したところはカナダらしく、それゆえの”美食の街”としてパンやケーキがとても美味しい街です。
現地ではケーキ屋さんで働くチャンスがあり、販売用の洋菓子に関わる経験を得たことで、「やっぱりこの道に進みたい」と思うようになりました。その後、日本に帰国したのですが、やはり海外でもう一度働きたいという想いは捨てきれずにいまして…。そんな中、知人の勧めでメキシコに渡る決意をしました。
2009年にメキシコシティに来て、最初は1人で焼き菓子の卸販売からスタートしました。SNSや口コミで少しずつ広がっていき、現在に至ります。今ではメキシコシティだけではなく、ケレタロのFUJITAYA QUERETAROさん、メキシコシティとサン・ルイス・ポトシにあるWaviaさんにもおいていただいてます。
日本とメキシコのスイーツ文化の違い
―日本とメキシコでスイーツの好みや文化の違いを感じることはありますか?
マリさん:とてもありますね。例えば、日本ではキャラクターケーキや繊細なデザインのスイーツが人気ですが、メキシコではもっとインパクトのあるデザインやユニークなテーマが好まれる印象です。
私は生花や季節のものを使ったり、バタークリームを使ったクラッシックなデコレーション、多彩な色を使ったテーマケーキなどが作っていて楽しいなと思います。最近はネットの影響でケーキデザインのブームも非常に入れ替わり激しく、楽しい且つ取り入れるのも大変なポイントです。
―本日私がいただいた桜マカロン、とっても美味しいです!桜のスイーツを日本から遠く離れたメキシコで頂けるのは嬉しいですね!
マリさん:ありがとうございます。その他、秋になるとモンブランも作ってますが、こちらも好評ですので、秋になったらまたいらしてくださいね!
人気のメニューとおすすめスイーツ
―Mari’s Pastryで人気のメニューや、マリさんおすすめのスイーツを教えてください。
マリさん:一番人気はやっぱりデザインケーキですね。誕生日やお祝い事のためのオーダーケーキを多くご注文いただいています。
また、焼き菓子も長く愛されていて、素朴でおいしいクッキーやパウンドケーキ、ブラウニーなど、シンプルだけれど素材の良さを感じてもらえるものが好評です。また日本ではご予算に合わせたお手土産がどこでも手に入りますが、メキシコではなかなか難しく、日本の企業様の手土産やお礼などにも、とても好評いただいています。
イベント時期にはテーマに合わせた限定メニューも登場しますので、ぜひInstagramなどでチェックしてみてください!
―抹茶のスイーツも好評なのですね
マリさん:そうですね。最近では日本の抹茶パウダーを使っていますか?と聞いてくるお客様もいらっしゃいます。数年前まではそういう質問がなかったので、メキシコにも大分抹茶スイーツが浸透してきていると実感しています。
メキシコでの経営で苦労したこと、嬉しかったこと
―メキシコでお店を続けていく中で、大変だったことや嬉しかったことは?
マリさん:一番大変なのは、やっぱり「伝えること」ですね。最近はどのお店も更新頻度がすごいので、更新がすごく大変です😢。これは自信作!と思っても写真がイマイチだと注目されなかったり、、、
でもその一方で、レオンで一度販売した経緯があったのですが、「レオンで販売されてる時にお会いしました!」とメキシコシティ外から来られてお声かけてくださったり、「レーズンバターサンドのファンでいつも買います!」とか、ケーキとお誕生日の子どもさんの写真を送っていただき「一瞬でケーキ🎂がなくなりました!」 「メッセージチョコプレート取り合いになったので次回は3枚、、」とか(笑)、、、
すぐに喜んでいるお顔が見えなくとも、のちのちそういう体験談をいただくくのが本当にうれしいし、続けてやってきて良かったと本当に思えます🌟
メキシコでパティシエとして活躍したい人へのアドバイス
―これからメキシコでパティシエとして挑戦したい人へアドバイスをお願いします。
マリさん:とにかく「やってみたい」と思ったら、一歩踏み出してみることだと思います。最初は小さくてもいいんです。今はSNSやネットの力で、少しずつ広げていける時代なので、まずは動いてみることが大事だと思います。
メキシコには自由な空気がありますし、自分のスタイルを大切にしながら挑戦できる土壌がありますので、是非挑戦しにメキシコに来てください!
―最後に、MEXITOWNの読者の皆さんへメッセージをお願いします。
マリさん:いつも応援ありがとうございます!メキシコで生活している日本人の方々、そしてスイーツが好きな皆さんに、これからも“ちょっと幸せになれる甘いひととき”をお届けしていけたらと思っています。ぜひInstagramなどもチェックして、気軽に声をかけてくださいね。
ー15年前に“焼き菓子の卸販売”からスタートし、今では多くの人に愛されるスイーツを届けるマリさん。彼女の歩みは、異国の地で夢を形にするヒントにあふれていました。甘い香りとともに広がる笑顔の輪。Mari’s Pastryは、今日もメキシコのどこかで誰かを笑顔にしています。
お問い合わせ先
MARI'S PASTRY PASTISSERIA FINA JAPONESA
🌸 +52 55 3027 1771 (WhatsApp メッセージ)
※日本語情報はWhatsAppメッセージから「日本語情報希望」
住所:Ave.coyoacan 1110, Col. del Valle sur, Mexico City, Mexico 03140
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