【MarkLines Mexicana】Automotive Connection Potosí 2025 展示会レポート

Shoko Wen
15 分前
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皆様こんにちは。MarkLines Mexicanaの牧野です。

今回は11月12日～13日に開催されたAutomotive Connection Potosí 2025の展示会レポートをお届けします。

◆イベント概要

2025年11月12日~13日の2日間、サンルイスポトシ州のCentro de Negocios Potosíにて、「Automotive Connection Potosí 2025」が開催されました。同州の自動車産業の成長を象徴するこのイベントは、B to B商談を中心とした実務的な展示会として、地域の自動車産業エコシステムの強化を目的に開催されました。

サンルイスポトシ州はBMWやゼネラルモーターズの製造拠点を擁する自動車産業の重要な集積地で、同州には350社以上の自動車関連企業が集積しています。その内訳は電気部品(19.3%)、トランスミッション(9.8%)、内装(9.0%)などとなっており(出典: 在メキシコ日本国大使館)、多様なサプライチェーンが形成されています。今回のイベントは主に地元企業や欧米サプライヤーを中心とした構成となっていました。

◆会場規模と比較

今回の会場規模は、2025年9月にレオン(León)で開催された「Foro de Proveeduría Automotriz 2025」の約3分の1程度の規模感となりました。レオンの展示会が320社の出展者を擁する大規模イベントだったのに対し、今回のサンルイスポトシでの開催は100社以上の出展者による、より専門性の高い構成となっています。体感的にはもっとコンパクトな印象でした。

◆出展企業の構成

公式発表によると、100社以上の出展者が参加し、合計260社以上の企業が参加。出展企業に関して会場で確認できた範囲では、ざっくりですが以下のような業種構成となっていました:

自動車部品サプライヤー(精密部品等小規模サプライヤ含む): 約15社：大手サプライヤーはほぼ出展していない印象
梱包・パレット・パッケージング関連: 約15社
物流企業: 約15社
検査機械メーカーやその他ソリューションベンダー　約20社
非自動車関連企業: 約30‐40社＋

写真左上：会場中心付近に大きめのブースを設置していた燃料・電装サプライヤーPHINIA社

写真下：木パレ段ボール1way製造Tariplus社

写真左：国際物流・サプライチェーンソリューションXPD社

写真右：何故か会場の中心にテキーラ、ラム、ウィスキー製造のPOTOSI試飲ブース

参加のみの企業では、BMW Group、Stellantis、Continental、BorgWarner、Cummins、Draxton、OP Mobility、YUSA Autopartsなどが確認できました。日系企業の出展は確認できず、会場内で見かけた日本人来場者も5－6名程度と、日本からの参加は限定的でした。

◆B to Bイベントの充実

様々なB to Bイベントが用意されており、各企業のCクラスといった決裁者と直接話すチャンスです。

Ｂ to Bマッチングプログラム

会場内では活発なB to Bマッチングイベントが実施されており、事前にスケジュールされた商談が多数行われていました。弊社は参加しませんでしたが、多くのビジネスパーソンが真剣に商談に臨む様子が見受けられました。公式発表によると、1,400件以上の商談が成立し、1億ドル以上のビジネス機会が創出されたとのことで、当初の目標を大きく上回る成果となりました。

B to B Lunch

昼食時には「B to B Lunch」が開催され、参加者に料理が振る舞われました。席はかなり自由で、同じテーブルに着席すれば他企業と直接対話のチャンスがあります。

カクテルパーティー

夜にはカクテルパーティーが開催され、料理とドリンクが提供されました。お酒が入ることで、もともとコミュニケーション力の高いメキシコ人がさらに社交的になり、ネットワーキングの雰囲気は最高潮に達します。筆者はスペイン語が一切話せませんでしたが、英語でも十分にコミュニケーションを取ることができました。

カクテルパーティーで知り合ったのが、射出成形メーカーのISGO Manufacturingの方々でした。ISGOは1967年創業のメキシコの老舗プラスチック射出成形企業で、モンテレイ、プエブラ、そしてサンルイスポトシに工場を持ち、テスラ、Rivian、VW等の大手自動車メーカーのTier 1またはTier 2サプライヤーとして部品を供給しています。パーティーでの会話が盛り上がり、翌日には同社のサンルイスポトシ工場見学と商談の機会をいただくことができました。このような偶然の出会いから具体的なビジネスチャンスにつながるのが、こうしたネットワーキングイベントの醍醐味です。

◆所感

Automotive Connection Potosí 2025は、規模こそ大規模展示会には及ばないものの、実質的なビジネスマッチングに重点を置いた非常に効率的なイベントでした。日系企業の参加が少ないことは残念でしたが、それゆえに地元企業や欧米サプライヤーとの接点を作る絶好の機会とも言えます。

サンルイスポトシ州は自動車産業への投資でメキシコ国内第2位にランクされており、2025年には3億ドル以上の新規投資と14の新施設が予定されています。今後の成長が期待される同州で、このようなB to B重視のイベントが継続的に開催されることは、地域の産業エコシステムの発展にとって大きな意義があると感じました。

次回のAutomotive Connection Potosí 2026は2026年11月11~12日に開催予定です。

◆イベント情報