【連載】教えて!勝野先生! No.10 朝起きても疲れているのはなぜ?
- 7 分前
- 読了時間: 5分

みなさま、こんにちは!
「しっかり寝たはずなのに疲れが取れていない。」
「朝から体が重くて、なかなかエンジンがかからない。」
「休日なのに、朝起きてもスッキリしない。」
このようなお悩みを抱えている方は意外と多く、当院でもよくご相談をいただきます。
実は、「朝起きても疲れている」という状態は、単純に睡眠時間が足りないというだけでは説明できないことがあります。
今回は、この原因について東洋医学と現代医学、それぞれの視点から考えてみたいと思います。
現代医学では「睡眠の質」と「回復」が重要と考えます。
【現代医学では「睡眠の質」と「回復」が重要と考えます】
「睡眠は体を休ませる時間」と思われがちですが、実際には眠っている間も、私たちの体ではさまざまな働きが行われています。
例えば、
・日中に使った筋肉や組織の修復
・成長ホルモンの分泌
・記憶の整理や定着
・免疫機能の調整
・脳内に蓄積した老廃物の排出
などです。
つまり睡眠は、「何もしない時間」ではなく、「体を回復させるための時間」と言えます。
ところが、この回復が十分に行われないと、睡眠時間が長くても疲労感が残ることがあります。
睡眠の質を低下させる原因として、
・ストレス
・不規則な生活
・就寝前のスマートフォンやパソコン
・アルコールやカフェイン
・慢性的な痛み
・夜間頻尿
・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
などが知られています。
また、ストレスが続くと交感神経が過剰に働き、眠っている間も体が十分にリラックスできず、「寝たのに疲れている」という状態につながることがあります。

【東洋医学では「回復する力」が不足していると考えます】
東洋医学では、眠っている間に「気(生命活動を支えるエネルギー)」や「血(体を養う栄養)」が補われ、翌日の活動に備えると考えます。
そのため、朝から疲れている状態は、「十分に回復できていない状態」と捉えます。
特に関係が深いと考えられているのが、「脾(ひ)」「腎(じん)」「肝(かん)」です。
脾は、食べたものから気や血を作り出す働きを担うとされています。
この働きが低下すると、
・疲れやすい
・食後に眠くなる
・集中力が続かない
・朝から体が重い
といった状態が現れやすくなります。

腎は、生命活動の土台となる力を蓄えると考えられています。
加齢や慢性的な疲労、睡眠不足などによって腎の働きが低下すると、「十分に休んでも疲れが抜けない」と感じやすくなります。
さらに肝は、気の巡りを調整する役割を担うとされます。
ストレスによって気の巡りが滞ると、眠りが浅くなり、睡眠中に十分な回復ができなくなることがあります。
【東洋医学と現代医学に共通する考え方】
東洋医学と現代医学は考え方こそ異なりますが、共通している点があります。
現代医学では、自律神経やホルモン、免疫機能がバランスよく働くことで体は回復すると考えます。
東洋医学では、気・血・水が巡り、五臓が調和することで体は回復すると考えます。
表現は違いますが、どちらも「回復する仕組みがうまく働いていることが健康につながる」という点では共通しているように感じます。
【鍼灸で期待されること】
鍼灸では、「疲れを取る」というよりも、「疲れから回復しやすい体づくり」を目指します。
東洋医学では、
・気や血の不足を補う
・気の巡りを整える
・五臓の働きを調和させる
ことを目的に施術を行います。
一方、現代医学では、鍼刺激によって自律神経活動や血流の変化、筋緊張の緩和などが研究されており、睡眠や疲労感への影響についても研究が進められています。
ただし、その効果や作用機序については、現在も研究が続けられている段階です。
もちろん、鍼灸だけですべてが解決するわけではありません。
睡眠環境や食事、適度な運動、ストレスとの付き合い方など、生活習慣を整えることも同じくらい大切です。
そのうえで、鍼灸を体調管理の一つとして取り入れることは、回復しやすい体づくりにつながる可能性があります。
【今日からできるセルフケア】
朝の疲れが気になる方は、まず次のようなことから始めてみてはいかがでしょうか。
・毎朝できるだけ同じ時間に起きる
・起床後に朝日を浴びる
・軽く体を動かして体内時計を整える
・就寝前1時間はスマートフォンの使用を控える
・カフェインやアルコールの摂り方を見直す
小さな習慣の積み重ねが、睡眠の質や日中の疲れやすさに影響することがあります。

【まとめ】
「朝起きても疲れている」のは、決して年齢や気合いだけの問題ではありません。
現代医学では、睡眠の質や自律神経、体の回復機能との関係が重視されています。
東洋医学では、気・血の不足や五臓の働きの乱れによって十分な回復ができていない状態と考えます。
忙しい毎日だからこそ、「疲れが取れないのが当たり前」と我慢するのではなく、自分の体からのサインに耳を傾けてみてください。
もし、そのサインが長く続くようであれば、一度生活習慣を見直したり、必要に応じて医療機関へ相談したりすることも大切です。鍼灸も、その選択肢の一つとして役立てていただければ嬉しく思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【コラム豆知識】
私たちが眠っている間、脳ではグリンパティックシステムと呼ばれる仕組みが活発に働き、脳内の老廃物を排出していることがわかってきました。
睡眠は「体を休める時間」であると同時に、「脳をメンテナンスする時間」でもあります。
質問やコラムのテーマのご希望などがありましたら、ぜひ教えてくださいね☺︎
「人との出会いに恵まれ、今がある」かつの鍼灸治療院・勝野先生インタビュー
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