【ニュース記事】メキシコシティ、地盤沈下が年間10~30cmにも — 地質学者が警鐘
- Shoko Wen

- 7月3日
- 読了時間: 3分

皆様こんにちは。メキシコの首都・メキシコシティは湖の上に建設された都市です。16世紀前半にやってきたスペイン人によって開拓され、現在の都市の姿となりました。湖が下にあることで地盤沈下の問題が長年存在しています。
メキシコシティは現在、地下水の過剰汲み上げと建築負荷によって、年間10〜30 cmという急激な地盤沈下に直面しています。これは洪水リスクの増大と、低所得層と水アクセスを持つ富裕層との間に深刻な格差を生む構図を形作っています。沈下は不可逆的であり、対策を講じない限り、数年〜十年以内に強制移住や“居住不可能区”の出現が現実味を帯びています。今回はForbes Mexicoの記事より、メキシコシティの地盤沈下の現状について説明します。
◾ 地盤沈下の深刻化
UNAM(メキシコ国立自治大学)の地質学者によれば、メキシコシティの地盤は年間平均10〜30 cm沈下しており、特に一部地域では最大40 cmに達するケースもあると警告されている 。
UNAM地質学者のセルヒオ・ロドリゲス氏は「年15〜30 cmなら10年で3 mも沈む」とし、レフォルマにある独立記念塔の天使像が“階段を継ぎ足している”例を挙げる 。

◾ 原因と不可逆性
地盤沈下の主な要因は、地下水の過剰汲み上げや重い建造物による地盤の圧縮にある 。
粘土や火山堆積物が多い地質は圧縮されやすいため、いったん始まった沈下は「取り返しのつかないレベル」に達しており、UNAMのウェンディ・モラレス氏も「もう戻せない」と断言 。
◾ 洪水リスクと社会格差
市の70%は「浸水可能地域」とされ、舗装された地面や消えた自然の川が排水機能を喪失している 。
なかでもメキシコシティ南東部にあるイスタパラパ地区では、沈下が年間最大40 cmに達し、水の汲み上げと洪水の両方で苦しんでいる 。
地下水をくみ上げているのは、イスタパラパ地区のように水道インフラの整っていない低所得層である一方、高級地区では企業契約で水を確保しており、格差が浮き彫りになっている 。
◾ 今後のシナリオと対応策
このままでは、一部地域が“居住不可能”になり、10年以内に強制移住が必要になる可能性が高い。6年程度で“持続不能”とされる地域もある 。
UNAM地質学者らは提案として、都市の分散化・新都市の計画整備(雇用・医療・教育施設の設置)や、産業・行政機関の他地域への移転などを急ぐ必要があると強調 。
政府・市当局は、都市の脱集中化、インフラ整備、都市計画の見直しを進め、社会的弱者への支援も含めた包括的な対応が急務です。
※本記事は以下のForbes Mexicoの記事の紹介となります。
Forbes Mexico : La Ciudad de México se hunde entre 10 y 30 centímetros al año, alertan científicos, junio 28, 2025
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