メキシコで起こった「Z世代のデモ」とは?デモの背景などを解説
- Shoko Wen

- 4 時間前
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メキシコで11月15日(土)、いわゆる 「ジェネレーション Z(Z世代)」 を名乗る若者たち(+それを支える幅広い市民層)による大規模なデモがメキシコ各地で起きました。また、11月20日(木)にはメキシコシティで再び実施されるという報道もありました。
このZ世代が中心となったデモについて本記事では解説していきます。
メキシコシティ(CDMX)での対立と被害
首都メキシコシティでは独立記念塔(Ángel de la Independencia)から始まるマーチがあり、途中からNational Palace(大統領府)付近の警備フェンスを壊そうとするグループが現れ、警察と衝突。警察は催涙ガスなどで対応し、負傷者が多数。警察側は100人以上が怪我、うち約40人が病院搬送されたという報道も。一方で市民側も負傷者があり、逮捕者も20人程度出た。
デモの象徴とシンボル
多くの参加者がアニメ「ワンピース」の麦わら帽子の海賊旗を掲げている。また、デモ中にはメキシコ国旗や、パレスチナ旗を掲げる人もおり、一部のスローガンには国際的な問題(中東など)への連帯を表すものも混じっている。
デモのきっかけとなった事件
この運動が加速したきっかけの一つが、ミチョアカン州ウルアパン市(Uruapan)の市長、カルロス・マンソ氏の暗殺(11月1日)です。マンソ市長は長年、犯罪組織の影響に苦しむ地域の治安問題を訴えており、若者の間ではその死を“政府の無関心・腐敗”の象徴と見る声が強い。
反応・批判
ジェネレーション Z 運動は「非政党(ノンパーティザン)」を自称しています。彼らは左でも右でもなく、「若者が疲れている(社会・政治の現状に)」と主張。
一方で、政府側(シェインバウム大統領率いる政権)は、この運動に右派政治勢力やオンライン上のプロパガンダ(ボット)が関与していると疑義を呈している。
マニフェスト(運動側が出した要求リスト)には 国民によるリコール制度(市民リコール)、司法制度改革、透明性の強化、自治機関の独立などが含まれている。
また、逮捕者の中には警察に対する「殺人未遂(homicidio en grado de tentativa)」の疑いで調査されている者もおり、運動の過激化を懸念する声も。
政治的利用の可能性
一方で、この運動を野党勢力が政治的に利用しているのではないかという批判も強い。特に与党(モレナ)側は、右派が若者の不満をあおっているとの見方を示している。
メディア・インフルエンサーの中には、運動を支持・拡散する者もおり、完全にボトムアップ(自発的)だけの運動かどうか、議論がある。
制度改革への強い関心
抗議側が掲げる要求には、単なる治安対策だけではなく、 制度そのものの見直し(司法、政治システム、自治機構)が含まれており、若者が長期的な社会変革を目指している可能性がある。
このデモが意味するもの
これは単なる「若者デモ」ではなく、
暴力・治安・腐敗・政治不信への国民的な怒りが一気に噴出した現象
若者だけでなく広い世代の共感を得た点が特徴的
メキシコ政治における「新しい市民参加の形」として大きな議論を呼んでいる-
読者の生活への影響
Z世代のデモは、近日ある農業事業者や運送業者のデモのように長時間幹線道路を封鎖するタイプではなく、各州・都市の中心地に集合し、主張を訴える形です。そのため、日々の生活に直接の影響は出ないとみられますが、デモがあると予告された日は各州・都市のセントロなどには近付かないなど注意してください。
参考記事
Reuters :Gen Z-styled protests spread in Mexico, fueled by mayor's murder
Euro NEWS:Gen-Z protests in Mexico turn violent, leaving over 120 injured




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