こんにちは。今回はダンサー・紙芝居家・そして尼としてメキシコで日墨交流に従事されている横尾咲子さんにインタビューをしました。ご主人がメキシコ人で子育てもされ、精力的に活動されていますが、そんな横尾さんが抱える国際結婚の悩みやアドバイスなどを伺いました。是非ご覧ください。
メキシコへの冒険のきっかけは青年海外協力隊体験
MT:様々な文化活動をされている横尾さんですが、そもそもメキシコに来たきっかけを教えてください。
横尾咲子さん:きっかけは青年海外協力隊です。幼い頃から海外生活に憧れ、大学時代はバックパッカーでアジア中東を巡り…大学院でダンスセラピーを研究中、実践研究の場を求めていて…
それから、自分自身を不自由な環境に追い込んで修行させたかったんです。それで、ふらりと見た協力隊の募集要項に、ピッタリな職種を発見し、応募。イダルゴ州か、ドミニカ共和国か...
もし、ドミニカ共和国に派遣されていたら、全く違う人生を歩んでいたことでしょう。
捨て台詞は「いい加減にして!」
MT:ご主人がメキシコの方で、三児のママとしても日々奮闘されています。異国のメキシコの地での子育てや国際結婚は大変なことも多いかと思いますが、国際結婚して良かったなと思う点をまずお話し下さい。
横尾咲子さん:国際結婚して良かったと思うのは、今年17年目になりますが、未だに驚かされることかしら。
それから私は小さい頃、ダブルってどんな感じなんだろう?と、憧れていたのですが、子ども達が、二つの異なる文化を背負って育っていく過程をみるのは興味深いです。
彼らはそのことをラッキーと思っているので、それぞれのいいところ、そうでも無いところ、よく観察して、バランスよく成長して欲しいと願い、できるだけ邪魔にならぬ程度にファシリテーターとして支えていきたいです。
ふたつの文化はかなり違いますが、かなり似ているところもあり、そういう文化比較を日常的に楽しめるのはいいところですね。
MT:では逆に、国際結婚で喧嘩してしまう時や、ストレスを感じることはどんな時ですか。
横尾咲子さん:喧嘩は国際結婚だからというよりも、個と個、エゴとエゴですからね、夫婦は。価値観に違いがあるのは当たり前です。
でもやはり、人間は愚かなので、どうでもよいようなことで喧嘩が勃発し、冷戦が続く、というような事態はよくあります。トホホ💦
夫婦の会話はスペイン語ですから、喧嘩までスペイン語でせねばならないのはストレスです😂
もうめんどくさいので、捨て台詞は日本語で、「いい加減にして!」
だったら最初から喧嘩しなきゃいいのに😞。
MT:お気持ちわかります(笑)。どんなことで喧嘩されることが多いですか。
横尾咲子さん:喧嘩の原因は子育て方針に関することが多いですね。あとは家事分担。
根本的な問題が何かは分かっているのですが、これは夫のプライバシーに関わるので書きません。つまり誰にも相談できないので、抱えこんで辛くなります。
そんな時、仏教が助けてくれます。壮大な宇宙に漂う、塵に過ぎない私。
どんな悩みもとるに足らない、と。
結婚する人とは、公私ともにパートナーでありたいと思っていたんです。動物的な勘で結婚しましたが、一緒にアーティスト招聘の仕事をしたり、一緒に舞台に立ったり。色々ありますが、こうした共同作業によって、バランスがとれています。
メキシコはダイバーシティの国
MT:なるほど。根本的な原因が分かっていても、誰にも相談できずに、辛くなってしまうことは、おそらく読者の方でも共感される方が多いかと思います。そんな日常の中でも、横尾さんはアーティストとしてご活躍されていますが、横尾さんから見たメキシコの良さを教えて下さい。
横尾咲子さん:私はアーティストとして、教育者として、また、僧侶として、メキシコ人と仕事をしているので、出会う人々は本当に素敵な方が多く、常に感動と刺激をいただいています。日本よりも世間体のようなものに煩わされることがなく、素の自分でいられる心地よさがあります。
日本はみんな同じだから安心、という空気が蔓延していますが、メキシコは、ダイバーシティを地で行ってる、多様性というまでもなく多様性そのもの、という国だと感じます。
MT:異国の地で色々な悩みを抱えながらも、メキシコで出会う方々から刺激を受け、充実した日々を過ごしていらっしゃるのが伝わってきました。インタビュー、ありがとうございます!
経歴:
横尾咲子 (Sakiko Yokoo)
ダンサー。 紙芝居家。 浄土真宗本願寺派僧侶。 人 文学修士。 2010年にNPO法人 「手をつなぐメキ シコと日本」を設立。 日墨交流に従事。2019年よ りメキシコシティ・ナポレスにある恵光寺に勤務。 踊る尼としての活動をYouTubeなどでも紹介。
email: saki@ekoccj.com
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