「みんなで磨こう、未来のカマラ」──竹原会頭が描く、新たなカマラのかたち
- 1 日前
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2026年1月にカマラ・メキシコ日本商工会議所(以下、記事内ではカマラ)の会頭に就任した竹原会頭。就任から半年が経ち、新たなスローガン「みんなで磨こう、未来のカマラ」のもと、会員とともに歩む組織づくりを進めています。
今回MEXITOWNでは、会頭就任後に感じた変化や新スローガンに込めた思い、そして任期中に実現したいことについてお話を伺いました。
<目次>
「会社の視点」から「日本企業全体の視点」へ

会頭就任後、ご自身の中で最も大きく変わったことについて尋ねると、竹原会頭は「物事を見る視点が大きく変わりました」と語ります。
「これまではメキシコ三菱商事の社長という立場でしたので、自社を中心に物事を考えていました。昨年はカマラでは副会頭も務めていましたので、会議所としての視点も多少は持っていたつもりでしたが、実際に会頭になってみると、その責任や視野の広さは全く違いました。」
現在は自社だけではなく日本企業全体、そしてメキシコで働く駐在員やそのご家族にとって何が最善なのかを考える機会が格段に増えたといいます。
「やってみると、なかなか大変ですね(笑)。」
そう率直に笑いながら話す一方で、企業の垣根を越えて多くの情報が集まることは、自社の経営にも生かされていると話します。
「会議所の活動を通じて得られる情報や企業の皆さんとの意見交換は、自社の仕事にも役立っています。そういう意味でも、とても学びの多い役割だと感じています。」
もう一つ、就任後に変わったこととして挙げたのは、日常生活での意外な変化でした。
「以前より顔を知っていただく機会が増えましたので、レストランやスーパーなど公共の場でも、言動には以前以上に気を付けるようになりました。」
「ちょっとした独り言も、日本語だから大丈夫かなと思っていたことが、今はそうもいかない(笑)。立場上、自分の振る舞いには気を配るようになりました。」
冗談交じりに「これが一番のストレスかもしれません」と話す姿からは、会頭という立場ならではの責任感が伝わってきました。
「みんなで磨こう、未来のカマラ」に込めた思い
今年から掲げられた新しいスローガン、「みんなで磨こう、未来のカマラ」。
実は、このスローガンを決めるまでには、竹原会頭自身も大いに悩んだといいます。
「実は、以前のスローガンも私はとても好きだったんです。そのままでもいいのではないかという気持ちもありました。しかし、3年間会頭を務めて頂いてカマラの顔的な存在だった久我前会頭から体制が変わるタイミングでしたので、新体制として「変えるべきところは思い切って変える」という姿勢を示したいという思いもあり、新しいスタートを象徴するものとしてスローガンも新しくすることにしました。」
本来であれば会員から公募したいという考えもあったそうですが、時間的な制約もあり、三役や理事会で議論を重ねて決定しました。
その中で採用されたのが、「みんなで磨こう、未来のカマラ」という言葉でした。
竹原会頭が特に共感したのは、「みんなで磨こう」という前半部分です。
「カマラの活動は、どうしても『誰かがやってくれるもの』になりがちです。でも、この言葉には、会員一人ひとりが主体的に関わり、一緒により良いカマラをつくっていこうというメッセージが込められていると感じました。さらに、「未来のカマラ」という言葉には、目先の活動だけではなく、その先の組織づくりを見据えた思いが込められています。『主体性』と『未来志向』。この二つのメッセージが非常によく表現されているスローガンだと思っています。」

任期中に実現したい二つの目標
竹原会頭が任期中の目標として掲げているのは、大きく二つあります。
「一つ目は、会員の皆さんが「参加して良かった」「役に立った」と実感できる成果を形にすることです。イベントに参加して楽しかった、生活環境が改善した、ということももちろん大切ですが、それだけでなく、お役に立つ情報の提供、ビジネス環境の改善等、企業活動にとって実際に役立つ成果も出していきたいと思っています。そのためにも、外部コンサルの活用や、他国の商工会議所、更にはメキシコの経済団体との連携強化に取り組んでいます。
未来のために今、取り組む「持続可能なカマラ改革」
「もう一つの大きなテーマが、カマラの持続可能な運営に向けた改革です。近年、例会やイベントへの参加者は増え、活動はますます活発になっています。しかし、その一方で、62年前の設立時には想定していなかった規模にまで大きくなったことで、運営や予算の面で課題も出て来ていて、この状態が続けば、将来的には今と同じサービスを提供できなくなる可能性があります。今はまだ余力があります。しかし、本当に厳しくなってからでは遅い。だからこそ今の段階から、どうすれば将来も継続して活動できる組織になるのかを議論しています。」
現在は三役や理事がそれぞれ担当分野を持ち、1年をかけて制度や運営の見直しを進めているそうです。
「改革には必ず賛否があります。誰にとっても100%満足できる答えはないかもしれません。それでも、できる限り透明性を持って丁寧に説明し、会員の皆さんと議論を重ねながら、将来につながる改革を進めていきたいと思っています。」
カマラの活動を未来へつないでいくために──
目先の課題だけではなく、5年後、10年後を見据えた組織づくりへの取り組みは、まさに新スローガン「みんなで磨こう、未来のカマラ」を体現するものと言えるでしょう。
心身の健康を支える「4つの習慣」
会頭という重責を担う一方で、竹原会頭は単身赴任生活を送っています。
「仕事中心の生活になってしまうと、どうしても心も体も疲れてしまいます。だからこそ、意識的にリフレッシュする時間をつくるようにしています。」
現在、大切にしている習慣は4つあるそうです。
地方への旅行
ランニング
自炊
職場でも自宅でもない“サードプレイス”での読書
「仕事から少し距離を置いて、自分自身をリセットする時間を意識的につくっています。」

高地・メキシコシティでマラソンに挑戦
ランニングはすっかり生活の一部になっているといいます。年間3回ほどマラソン大会にも出場しており、大会に向けて日頃から走り込みを続けています。
「もう習慣になっていますね。走らないと逆に落ち着かないくらいです。走ると頭もすっきりして、いい気分転換になります。」
ただし、メキシコシティならではの苦労も。標高約2,200メートルという高地で開催されるメキシコシティマラソンは、他都市の大会と比べてタイムが約20分も変わるほど過酷なのだそうです。
「やはり高地は大変ですね。でも、それも含めて挑戦しがいがあります。」
趣味は燻製づくりと、まさかの“納豆づくり”

自炊では和食を中心に作ることが多いそうですが、少し意外な趣味も教えてくださいました。
「実は燻製が好きなんです。」
さらに驚いたのは、納豆まで手作りしているということ!
「ヨーグルトメーカーがあると、意外とうまく作れるんですよ。」
自宅で納豆づくりに挑戦している日本人も少なくありませんが、実際に成功している人はそう多くありません。
さらに、チリ赴任時代にはペルーも担当していた経験から、ペルー料理もお好きとのこと。
「当時は毎月のようにペルーへ行っていました。その頃からペルー料理が好きになって、今でもたまに作っています。」
忙しい毎日の中でも料理を楽しむ時間が、大切なリフレッシュになっているようです。
本当のメキシコは地方にある
メキシコで生活する方へ、ぜひ経験してほしいことを尋ねると、迷わず返ってきた答えが「地方への旅行」でした。
「メキシコには現在36か所の世界遺産※1があります。少し足を延ばすだけで、歴史や文化、自然、食など、本当にさまざまな魅力に出会うことができます。」
これまでに訪れた世界遺産は20か所。おすすめの地域として名前を挙げたのは、オアハカ州とチアパス州です。
「どちらも歴史や文化が色濃く残っていて、とても魅力的な地域です。」
また、大の遺跡好きでもある竹原会頭。
「マヤ遺跡は特におすすめですね。メキシコだけではなく、グアテマラやホンジュラスまで含めて巡ると、本当に面白いです。」
さらに、鉄道好きや雄大な自然を楽しみたい人には、チワワ鉄道もおすすめだそうです。
「車窓から眺める景色は本当に素晴らしいですよ。」
仕事でメキシコに滞在していると、どうしても生活圏が限られがちです。
だからこそ、休日には少し足を延ばし、地方ならではの魅力に触れてほしい——そんな思いが伝わってきました。
そして4つ目の”サードプレイス”での読書ではどのような本を読まれているのでしょうか。
「同じ作者の本を続けて読むことが多いので好きな作家さんは沢山いるのですが、強いてあげると、角田光代さん・原田マハさん・西加奈子さん・道尾秀介さん・荒木飛呂彦さん(漫画ですが(笑))辺りです。最近読んだ中でお勧めの本は、『塞王の楯』『地雷グリコ』『カフネ』です。本は紙で読む派なので、国際交流基金さんの図書館にはいつもお世話になっています。」
もっとカマラを活用してほしい
最後に、読者へ向けてメッセージをいただきました。
「まずは、日頃からカマラを活用していただき、本当にありがとうございます。」
そのうえで、「もっと気軽に意見を寄せてほしい」と呼びかけます。
「アンケートなどでもご意見を伺っていますが、それだけでは拾いきれないこともあります。私でも、理事でも、事務局でも構いませんので、ぜひ気軽に声を届けていただきたいと思っています。」
また、例会や委員会への参加を通じて、情報収集や人脈づくりなど、会費以上の価値を得てほしいとも話します。
「メールで情報をお届けしていますが、本当に価値のある情報や人とのつながりは、実際に参加していただくことで得られることも多いと思います。ぜひ積極的に活用していただければうれしいですね。」
現在はUSMCAをはじめ、政治・経済ともに先行きが不透明な状況が続いています。
「難しい局面ではありますが、だからこそ正しい情報を共有しながら、前向きに取り組んでいくことが大切だと思っています。皆さんと一緒に、この状況を乗り越えていければと思います。」
※1UNESCO World Heritage Convention : Mexico
経歴
大阪生まれ・滋賀育ち、大学も京都なので生粋の関西人(虎キチ)です。趣味はキャンプとマラソンと旅行で、過去にチリに2回(計7年半)駐在したので、南米の主な観光地は大体訪問済です。メキシコに来て3年強になります。
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