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メキシコで築く、信頼の建設力──清水建設メキシコ・大貫支社長インタビュー


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日本を代表する総合建設会社・清水建設アメリカ現地法人(Shimizu North America LLC)のメキシコ支店(以下本文中は清水建設メキシコ)は、日系企業の進出とともに成長を遂げてきました。2025年1月に支社長に就任した大貫氏は、メキシコ市場特有の課題と向き合いながら、事業の多角化にも挑んでいます。今回は、建設事業の戦略からメキシコでの生活まで、幅広くお話を伺いました。

<目次>

メキシコの地で32年間、日系企業を支える


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ー清水建設メキシコの事業内容および戦略について教えてください。


大貫支社長:私は昨年6月にメキシコに赴任し、今年1月から清水建設メキシコの支社長に就任しました。まだ支社長としての任期は半年ほどですが、日々、急激に変化する国際情勢や社内のプレッシャーの中でも、できることを一つひとつ着実に取り組んでいます。


清水建設メキシコは1993年にティファナで事業を開始しましたが、その後のバヒオ地域への投資拡大にあわせて、2012年にティファナから現在のケレタロに拠点を移しました。現在はグアナファト州・ケレタロ州などのバヒオ地域を中心に、日系企業の工場建設やオフィスの内装・改修を手掛けています。


社員は全体で42名おり、そのうち6名が日本人、残りはメキシコ人スタッフです。総務や人事といった管理業務から、技術、品質管理、安全管理に至るまで、メキシコ人スタッフが中心となって活躍しています。


当社の事業戦略としては、これまで通り日系企業のサポートを軸にしながら、今後は外資系企業との取引拡大や、当社の技術力を活かした建屋サービスの提供にも注力していきたいと考えています。


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ー日本やアメリカと比較して、メキシコ市場ならではの難しさはありますか?


大貫支社長::現在感じている難しさは、協力業者や現場スタッフの施工管理能力です。私は海外勤務歴が12年ほどあり、主にアジア(インド、フィリピン、ベトナム)での経験を積んできましたが、メキシコの現場ではその感覚が通用しない場面が多くあります。


特に、メキシコの職人さんはプライドが高く、アジアで行っていたような細かな指示の出し方では反発を招いてしまうこともあります。この文化の違いは、現地で仕事を進める上で非常に大きなポイントだと感じています。


また、清水建設という社名は日本では非常に有名ですが、メキシコではまだ十分に浸透していないため、協力会社との信頼構築にも時間がかかることがあります。


とはいえ、海外勤務は日本と異なる商習慣や価値観を理解する良い機会でもあり、自分の常識を見直すきっかけになっています。


清水建設、メキシコでの施工実績(一部)


事前に確認しておきたい重要なポイント4つ


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ー日系企業が御社に工場建設などを依頼する際、注意すべき点は何でしょうか。


大貫支社長:4点、重要なポイントがあります。


① 時間の確保土地の選定、会社設立、設計・見積、社内稟議、許認可取得、工事着工まで、多くのステップがあり、それぞれに時間がかかります。事業計画段階からぜひ早めにご相談いただき、スケジュールに余裕を持って進めていただきたいです。


② コストの上昇メキシコでは毎年3~5%程度のインフレが続いており、工事費も上昇傾向にあります。日本の感覚よりも高い物価上昇率を念頭に置いて、採算性をしっかり検討していただく必要があります。


③ 予備費の確保設計段階でさまざまな変更が入るケースが多く、部門間での要望調整なども生じやすいため、あらかじめ予備費を確保しておくことをお勧めします。


④ 治安への配慮日本に比べると強盗などの治安リスクが高いため、工場の立地選定は非常に重要です。当社では、GPS付き車両の導入や地域に応じた安全対策を行っています。ぜひ事業計画の初期段階から安全面も含めたご相談をいただければと思います。


「建設アドバイザー」としての役割も担う


ー建設事業以外で、御社がメキシコで取り組んできたこと、今後の展望をお聞かせください。


大貫支社長:当社の主力は建設業ですが、今後は「建設アドバイザー」としての役割も拡大していきたいと考えています。予算の都合で現地企業に発注される日系企業のお客様も多いですが、その際に品質チェックが不安だという声をいただきます。


そうしたお客様向けに、月1回の現場巡回や品質書類の確認、アドバイスなどを行ってきました。今後もこのようなニーズは一定あると見込んでおり、技術・品質面で日系企業の安心を支えるコンサルティング事業に力を入れていきたいです。


メキシコの国民性に元気をもらえる!


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ー昨年メキシコにいらした大貫社長ですが、メキシコに来て「メキシコのここが好きだ!」と感じた点はありますか?


大貫支社長:メキシコの陽気な国民性がとても好きです。どんなに大変な仕事があっても、家族や友人と笑顔で食事を楽しむ姿には、元気をもらえます。


また、ケレタロの気候も最高です。湿度が低く、暑い日でも日本のように汗を大量にかくことがありません。過ごしやすい気候ですね。


食事もおいしいので、グルメを楽しんでいます。特にお肉料理は日本以上に美味しく、ステーキの焼き加減も絶妙です。タコスも美味しく、トルタもいただきましたが、日本人の口に合うと思います。


それから遺跡や世界遺産の多さにも感動しています。週末にはサン・ミゲル・デ・アジェンデやグアナファトなどを訪れ、街の美しさや歴史に触れることが楽しみです。今後はティオティワカンやカンクン、メリダなどにも訪れてみたいと思っています。


事業策定からメンテナンスに至るまで、是非ご相談ください


ー最後に、読者の皆さまへのメッセージをお願いします。


大貫支社長:清水建設メキシコでは、事業の策定段階から建物の建設、そしてメンテナンスに至るまで、当社の総合力をもって全力でサポートいたします。


何かお困りごとやご相談があれば、ぜひお気軽に清水建設メキシコまでご連絡ください。皆さまとご一緒に、安心で価値あるプロジェクトを築いていけることを楽しみにしています。


経歴

1980年に茨城県水戸市で生まれる。2006年に日本大学建築工学科修士課程を修了後同年、清水建設株式会社に入社。

2012年からベトナム、フィリピン、インドで海外駐在を経験し2024年6月にメキシコへ異動。その後支社長就任。趣味はワイン、ドライブ、ゴルフ。



お問い合わせ先


シミズノースアメリカ社(清水建設(株)現地法人)メキシコ支社

Shimizu North America LLC, Mexico Branch

Av. Prolongacion Tecnologico #950-B, Piso 15-A Corporativo Blanco, Col. San Pablo, Queretaro, Qro. C.P. 76125 Mexico

TEL: +52 (446) 139 5160 (営業)



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