- 1月2日
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2024年の転職市場はどうなる？【TOPメキシコ・新春特別コラム】2023年下半期の転職市場の振り返りと2024年の予想

TOPメキシコより、新春特別コラムとして、2023年下半期のメキシコの転職市場と今年の転職市場の展望について語って頂きました。

製造業やサービス業企業の新規進出が転職市場にも影響した2023年下半期

前回の記事の通り、メキシコへの海外投資が増えている昨今、2023年下半期は特に建築業や物流業、添え付けサービス業、機械商社、一部の製造業の経営状況が比較的良く、それら日系企業の工場や拠点の拡大（アメリカ所在企業がメキシコ勤務人材を採用する例もある）が各地域でみられる。反面、撤退する企業もあり、メキシコ市場に適した顧客獲得ができ、柔軟に人材採用を計画実行できることが、各企業の将来性を決める一因となっている。また、2023年下半期の転職市場を振り返る際、先述のものの他に大きな特徴を挙げるとすれば、製造業やサービス業企業の新規進出に伴う人材採用がスタートしたことである。

　求人の種類に目を向けると、2023年下半期求人企業の業種や求人職種の割合は上半期と大きく変わらない。地域別でみると、アグアスカリエンテス州やサンルイスポトシ州などのバヒオ地域の製造業企業やメキシコシティ企業の求人割合が少し増え待遇面も良化している点と、ヌエボレオン州地域の日系企業がより人材採用に悩まされている点が対照的である。

メキシコ居住者の増加により、候補者も増加

　上記グラフでは、求職者一人当たりの求人数（青線）を、求職者（橙線）と求人（灰色線）の割合で示したものである（所謂、有効求人倍率）。ご覧頂くと、求人は上半期に多く下半期に少なくなっている。これは各企業の予算組みや年間決算の関係上、毎年上半期は求人数が多くなるためである。反面、候補者数はそれに関係なく前年より大きく増えた。コロナ禍が過去になるにつれて日本国外への人の動きがより活発になり、メキシコ居住者が増加しているためである（特に本年はスペイン語話者か否か関係なく日本からの渡航希望者が大幅に増加した）。

　グラフからは、求職者の増加スピードが求人のそれよりも早く、前年と本年で徐々に候補者一人当たりの求人数が減少している事が見て取れる。本年下半期ではついに1を切った。

求職者一人当たりの求人数は微増か

　この有効求人倍率の来年度予測としては、時期的に上半期の求人数は増え、候補者数は23年度下半期よりも増えると思われる。来年度上半期の求人数は候補者よりも増加率よりも高まるはずであるため、求職者一人当たりの求人数は微増するであろう。

　求人に再度目を向けると、従来のものに加え、来年度は商社やサービス業企業の拠点拡大のためのオフィス管理者や営業管理者、又はそのアシスタント職や顧客対応職が増え、今後より職務経験を積めるチャンスがあり、管理職へのキャリアアップの可能性がある。また、新規進出企業の立ち上げ求人では、既に人事総務や経理などの管理職や駐在員アシスタントの求人が出始めており、来年早々には各部門管理職（製造、品管、生管、購買、物流、IT、営業など）が、そして上半期中盤や下半期になると各部署の一般レベル求人が出てくると予想できる。また、コロナ禍より鮮烈に復活した旅行業は今後一定数求人が出てくるため、一部求職者の選択肢が広がることが予想される。

スペイン語活用の機会は引き続き多い

　さらに、IT系企業の進出に伴い、特にグアダラハラ市、モンテレイ市、メキシコシティで、また企業システム部門の拡充に伴いバヒオ地域でIT・SE系職種が微増すると予想できる。毎年一定の割合を占めている通訳翻訳職は、日系企業進出ラッシュが続いた2014 – 2017年のような需要は見られない。これは当時のような新規投資母数が当時と比較して少ない点、そして直近のニアショアリングによる大企業の拡張投資では駐在員やプロジェクト担当者が英語又はスペイン語堪能、つまりスペイン語通訳がマストではない状況が生まれるなどの要因がある為である。とは言いつつ、先述の新規進出企業も一定数あり、また従来通り企業規模関係なく通訳翻訳職、通訳翻訳+@職の求人は引き続き高い割合を占める事が予想でき、スペイン語をフルに活かしたい方の活躍の幅は広い。

文責：TOP Mexico 西

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