AAPメキシコ:2026年度メキシコ経済パッケージと税制改正の概要を解説!
- Shoko Wen

- 13 分前
- 読了時間: 3分

皆様こんにちは。AAPメキシコの加村です。
今回は、2026年度メキシコ経済パッケージと税制改正の概要について説明させていただきます。
はじめに
2025年9月8日、メキシコ財務省(SHCP)は下院に「2026年度経済パッケージ(Paquete Económico)」を提出した。本パッケージはクラウディア・シェインバウム政権2年目の経済・財政運営方針を示すものである。
財政責任政策:赤字の漸進的な縮小(2026年はGDP比3.6%)、基礎的財政収支の黒字化(0.5%)。
経済成長率見通し:2026年は2.3%成長を想定。
債務水準:GDP比52.3%で安定推移を維持。
歳入見込み:8.7兆ペソ(前年比実質+6.3%)、うち税収+5.7%、石油収入+20.3%。
歳出方針:社会福祉・教育・医療・住宅、インフラ投資を重点。
国営企業:PemexとCFEに対する支援を継続し、黒字化を計画(GDP比1%寄与を目標)。
税制改正の主要ポイント

(1) デジタル課税の強化
インターネットプラットフォーム収益への源泉:
○RFC保有者:ISR 4%
○RFC未登録者:ISR 最大20%
IVA(付加価値税):遵守状況により8~16%の源泉
メキシコにおいてEC(電子商取引)販売や仲介を利用する企業は取引及び請求フローの見直しが必須。
(2) クラウドファンディング等
融資型・投資型クラウドファンディング取引に対し ISR・IVA の源泉義務 を新設。
(3) IEPS:生産・サービス特別税
清涼飲料・たばこ(電子含む) への税率引上げ。
(4) 資本還流優遇:Repatriación de capitales
海外資金をメキシコに還流し生産投資した場合、ISR税率を 15% に軽減。
この優遇措置は「国外資金を国内で使わせる」ためのインセンティブであり、日本企業にとっては メキシコ現法の増資・追加投資・工場拡張・新規プロジェクト資金に活用できる「可能性」があるが、詳細については、これから発表されるであろうSATの細則を確認する必要がある。
どのような資金が対象か
増資や貸付が含まれるのか
投資用途の定義
(5) 文化・スポーツ振興税制
LISR第189・190・203条に基づく 映画・文化・スポーツ関連の税制優遇 を継続。
(6) 連邦権利法(LFD)の改定
移民サービス、通信、文化財の各種手数料を改定。
外国人がメキシコで労働するためのビザ更新にかかる手数料増になる。
(7) CFDI
CFDIは「実在取引」を裏付けるものと明記し、架空請求書を排除する厳格化。
2026年度税制改正案では、CFDI(電子請求書)は “実在する取引”の裏づけでなければならないと強調された。つまり、もし仕入先が「ペーパーカンパニー」や「架空請求業者」だった場合、支払った仕入・経費が損金不算入とされるリスクがある。そのため内部統制上、仕入先との契約・請求書・物流証憑(Carta Porte)をConstancia de Situación Fiscal等の仕入先の会社情報と突合して、本当に存在する正当な取引であることを証明することが強く求められる。

(8) FIFAワールドカップ2026
・主催者・参加者に対する 税務・行政上の優遇措置を導入。
まとめ
2026年度経済パッケージでは、法人税率やIVA率の大幅な変更はなく、個別分野への課税強化と徴収厳格化が軸となっている。在メキシコ日系企業にとっては、
デジタル課税、証憑管理(CFDI管理)、IEPS(生産・サービス特別税)、ビザ手数料といった範囲での影響が出てくる。
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文責:AAPメキシコ 加村
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