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JNTOメキシコ山田所長「海外から日本を知るー日本にはまだまだ魅力的な観光地が沢山あります」

更新日:2023年8月21日

今回は日本政府観光局( Japan National Tourism Organization、以下本文中はJNTO)メキシコ事務所の山田麻須美所長にお話しを伺いました。日本の観光地を海外にPRするJNTOですが、何故メキシコに事務所を設立することになったのか、また山田所長がおすすめする日本の観光地、日本に旅行する訪日観光客に対してのお話しをお聞きしました。

 

<目次>

 

訪日観光客が最も多かったメキシコは、観光PRの重点市場


ー世界各国に事務所のあるJNTOですが、2021年にメキシコ事務所が開設されました。なぜ今、メキシコに開設することになったのでしょうか。


山田所長:実はCOVID19前からメキシコに事務所を開設をすることが決まっておりましたが、COVID19の流行により、実際の開所は2021年11月になりました。


メキシコは中南米の中では訪日外国人観光客数が最も多く、2019年は71,745人でした。2020年度より訪日プロモーション事業の実施対象となるビジット・ジャパン重点市場にメキシコが追加され、2021年の開所以降COVID19が落ち着いたらすぐにでもプロモーション活動を行いたいと思っていたので、2022年10月11日からの日本政府の個人旅行者受入および短期滞在査証免除の再開は私にとって待ち焦がれていた瞬間でした。


今年3月にはアエロメヒコ航空が東京⇔メキシコシティの直行便を再開予定であり、より多くの訪日客がメキシコからいらしていただけるのを楽しみにしております。


ゴールデンルート以外にも魅力的な観光地がいっぱい!


ーJNTOは日本の観光地の魅力を世界に発信しています。そこで、山田所長がメキシコ人におススメしたい観光スポットを3つ・その理由もあげてください。


山田所長:この質問の回答、とっても悩みました(笑)。日本には魅力的な場所がとても多いからです。


東京~京都~大阪といういわゆる”ゴールデンルート”は訪日観光客の方が訪れる定番ルートになっています。ただ、その先に行かれないのがとても惜しいなと思います。その先にはグアナファト州と友好提携のある広島県もありますし、是非とも他の場所に脚を運んでいただきたいです。そこで私が選んだ3つの観光地をご紹介します。


1.直島

瀬戸内海に浮かぶ、香川県の島です。何故ここを選んだかといいますと、芸術家の草間彌生さんのかぼちゃのアートがあることで有名で、アート関係に興味のあるメキシコ人の方にはおススメしたい場所ですね。


私が以前ソウル事務所で勤務していた時に韓国メディアからの問い合わせが多かったのがこの島です。韓国は日本と近く、訪日旅行者のリピーターが多く、また韓国から日本の地方へ航空便が飛んでいるため、様々な日本のエリアについて興味を持つ方が多く、むしろ「そんなところがあったんだ」と韓国の方から教わったくらいです。


直島 安藤ミュージアム


2.加賀温泉郷

石川県だと金沢に行かれる方はいると思いますが、その先の加賀温泉郷も日本の都会ではない落ち着いた雰囲気を味わうにはとても良い場所です。片山津温泉や山代温泉、山中温泉などがあり、金沢からも小松空港からもアクセスが可能です。温泉には抵抗があるメキシコの方には露天風呂付きの部屋がある旅館もあるので、家族でゆっくり過ごせると思います。。また、石川県をはじめとする北陸地方の海の幸も、太平洋側とは違ったお魚を堪能することができますね。2024年春に北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業予定です。開業すれば加賀温泉駅にも停車するので、アクセスが良くなります。


山中温泉 こおろぎ橋


3.鎌倉

私の出身が神奈川県ということもありますが、鎌倉を挙げたのは何といっても東京から電車で日帰りで行ける便利さです。訪日観光客の方は箱根や京都には行かれるのですが、それに比べると鎌倉にはあまり行かれる方が多くないため勿体ないなと思います。東京からわずか1時間の距離に古都を感じる場所があり、かつ湘南や江ノ島といった海もある。駅前の小町通りでお茶をしたり、鎌倉の大仏を見たりなど色々な体験ができる場所です。特にリピーターの方やビジネスで東京にしか滞在しないという方にお勧めです。


昨年11月29日に開催されたJNTO1周年記念レセプションの様子その1

JNTO清野理事長が山田所長と原田次長をご紹介する様子


ー開設から1年が経ちましたが、ここ1年間の活動を振り返り、今後力を入れたい分野を教えてください。


山田所長:日本が2022年10月に海外からの個人旅行を解禁したため、訪日のプロモーションが動き始めました。旅行会社やメディアの方にも関心を寄せていただいていて、今後は旅行会社やメディアの視察旅行を実施する予定です。やっとCOVID19により停滞していた活動が戻ってきたことを実感しています。


今年は先ほども申し上げたゴールデンルートから行くことができる大都市以外の場所も紹介出来たらと思っています。もちろんメキシコと姉妹都市提携などを結んでいる名古屋市、京都市、広島県などもメキシコの皆さんに知っていただけるように積極的に情報発信を行っていきたいですね。


昨年11月29日に開催されたJNTO1周年記念レセプションの様子その2

写真右から在レオン日本国総領事館・板垣総領事、在メキシコ日本国大使館・福嶌教輝特命全権大使、メキシコ観光省ウンベルト次官、JNTO清野理事長、メキシコ観光省レイ観光促進国際局長、山田所長


片言でもいいので、困っている訪日観光客のサポートをしてください


ー訪日観光客が日本にこれから増えていく中で、日本人である私達は観光客を迎える際どういったことに気を付けていくべきだと思いますか。


山田所長:身振り・手振りで構わないので、困っている外国人観光客の方がいらっしゃったら積極的に意思疎通をして助けてあげていただきたいです。読者の皆様も体験された方が多くいらっしゃると思いますが、メキシコで道が分からないときや困っているとき、片言のスペイン語でもメキシコ人の方は笑顔で助けようとしてくださる方が多いと思います。これは昔の日本に通じるものがあり、困っている方がいたら助けてあげようという気持ちが伝わってきます。逆に日本に一時帰国した時に都会の方があくせくして余裕のないようにも見え、日本の方が冷たいかもしれないと感じる時もあります。

英語が出来ないから、話しかけられても怖く感じて結局助けてあげることが出来なかったという方も中にはいらっしゃるかもしれません。でも、片言でも構いません。日本人の方は英語教育で文法の基礎が世界的にも身についている方だと思いますし、もっと自信を持って英語を発していただけたらと思います。完璧に話そうと思わず、単語を並べるだけでも相手には一生懸命さが伝わります


海外から知る日本ー日本の魅力を実際に目で見て確かめたい


ーJNTOは日本の観光のプロモーションを行っており、ここまでも日本のお話しをしてきましたが、今度は山田所長がメキシコで行きたい場所を教えてください。


山田所長:むしろMEXITOWNさんや読者の皆様に「おススメの観光地はどこですか?」とお聞きしたいです(笑)が、一か所周りから強くおススメされているのがサンミゲル・デ・アジェンデです。MEXITOWNさんは行かれたことありますか。


ーはい、大好きな街の一つですでに4回ほど行っています。確かに、アメリカ人観光客も多く、メキシコ初心者の方には「ここってメキシコなの?」と思えるくらいに可愛い街並みです。民芸品市場もお財布がいくつあっても足りないくらい買ってしまいたくなるものであふれていますね。


山田所長:そうなんですね!それは行ってみないとですね。その手前にあるケレタロ州には一度行ったことがあります。ワイン好きなので、ワイナリーにはとても感動しました。メキシコシティからも気軽に行けることもあり、バヒオの方には勿論、メキシコシティにお住いの方にもススメですね。


あとは、メキシコ政府が認定している100箇所以上あるプエブロ・マヒコも気になります。自分の足でしっかり見て、それぞれの街の雰囲気の違いを見て行きたいです。


ソウル事務所で勤務していた時に実感したのが、現地職員の方が日本の観光地に詳しいことです。多くの観光地の魅力を伝えるために色々な場所に行ってみたいと思っていても、日本にいるとなかなかその時間が取れないことがあります。そうしていざ海外に出た時に、現地職員から色々な話しを聞いて「日本人としてしっかり海外の方に、日本の観光地の魅力を届けなくてはいけない・自分で見たり聞いたりして説明できるようにしないといけない」という気持ちにさせられます。


百聞は一見に如かずではないですが、メキシコにいる間だからこそ私達も色々な場所に行ってみたいという気持ちになりますよね。それと同じでメキシコにいるならメキシコの本当の魅力を自分で足を運び、見て、体験して伝えていくことが必要だと思っています。


「人との交流」からお互いの国を知り、日墨交流につなげる


ー最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします


山田所長:「人との交流」が一番大事なのだと思います。日本人の友達がいて、日本に行ってみたいと思うようになったというメキシコ人の方も多くいらっしゃいます。日本人、また日本に行かれたメキシコ人1人1人が日本のPRをされているようにも感じます。そうした草の根活動が実を結び、日本とメキシコの繋がりが増えていきます。メキシコ人の方が日本人の方より日本のことを知っていると本当に嬉しい気持ちになりますし、私達も同じようにメキシコに興味を持ち、メキシコのの良さを伝えていけるようになったらいいと思います。これはあくまでもプライベートでということですけどね(笑)。


読者の皆様もそうした日本に興味を持つメキシコ人の方と積極的に関わり、「自分が知らなかった日本」を再発見し、メキシコにいる間はメキシコの観光地を、一時帰国の際には日本の観光地に是非足を運ぶ作る時間を作ってください!そしてその体験を両国で多くの方に共有し、日墨交流をどんどん進めてください!


メキシコの方には、ぜひ日本の良さを伝えていただき日本に来ていただいてください!

経歴:

山田 麻須美 Masumi Yamada

1994年(特)国際観光振興会(現・日本政府観光局)入会。本部(東京)、ソウル事務所、ニューヨーク事務所、トロント事務所勤務を経て現職。

 

編集後記


開所から1年を迎えたJNTO。山田所長はこちらからの事前の質問に対して一つ一つ丁寧に答えてくださり、事前の質問にないことをお聞きしてもすぐにお答えいただきました。日本に行ったことがある外国人の方の方が日本に詳しく、海外にいる時の方が日本をより知るきっかけとなるという一言には共感しました。そうした日本に共感を持つメキシコ人を我々日本人は暖かく日本で迎え入れることが重要だなと再認識したインタビューとなりました。


今後、アエロメヒコ航空も3月に東京・成田⇔メキシコシティへの直行便が再開され、日本への観光客が今よりも多く見込まれます。山田所長が今回ご紹介した日本のとっておきのスポットに少しでも多くの方が訪れるようになるよう、編集部も期待しています。

 

お問い合わせ先


住所:Avenida Ejército Nacional No.579, Int. 7-B, Col. Granada, Alc. Miguel Hidalgo, C.P. 11520, Ciudad de México


電話番号: Para la industria de viajes y los medios de comunicación

LLORENTE Y CUENCA MÉXICO 

TEL: +52 55 5257 1084 Anel Hernández ahernandez@llorenteycuenca.com


Representante en México de la Organización Nacional de Turismo de Japón (JNTO)

Para personas con intención de viaje a Japón


 

執筆者紹介:




温 祥子(Shoko Wen)

MEXITOWN編集長兼CEO。メキシコ在住5年半。MEXITOWN立ち上げて今年で3年目に突入。これからも様々なジャンルの方をインタビューしご紹介していきます!趣味は日本食をいかにメキシコで揃えられる食材で作ることができるか考えること。日本人の方が好きそうな場所を探し回ること。



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