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グアナファト州の地で築く技術と信頼—NHK Spring Mexicoの現在と未来

メキシコの自動車産業の中心地・グアナフアト州で事業を展開するNHK Spring Mexico。自動車用ばねの製造を手がけ、近年では電気自動車向けモーターコアにも注力しています。本インタビューでは、村上社長に同社の強みや今後の展望、そしてメキシコでの生活についてお話を伺いました。

<目次>


自動車の重要な部品をグアナファト州で生産


MEXITOWN: まず、NHK Spring Mexicoの事業内容についてご紹介いただけますか?


村上社長:NHK Spring Mexicoは、2013年5月にグアナフアト州イラプアトのカストロ・デル・リオ工業団地内に設立されました。当社の主な事業は、自動車用の懸架ばねである足回りのばね、クッションとなるばねの製造です。具体的には、コイルばねやスタビライザの製造を行っています。


また、電気自動車用のモーターコアの製造・販売も手掛けており、主にメキシコ国内およびアメリカ向けに展開しています。2015年からは自動車用の懸架ばねの量産、また2016年からは電気自動車用モーターの量産を開始しました。現在、約460名の従業員がおり、そのうち日本人駐在員は5名です。


さらに、モーターコアの量産工場として、新たな施設を敷地内に建設中で、2025年4月には完成予定です※1 。


当社は特定の自動車メーカーに依存せず、日系・外資系問わず幅広いお客様と取引を行っています。そのため、自動車メーカー各社が集中するグアナフアト州はロケーションとしても最適であると判断し、進出を決定しました。



50年前から続く強いグローバル展開力



MEXITOWN: NHK Spring Mexicoの強みや今後の事業戦略についてお聞かせください。


村上社長:当社グループの強みは、80年以上にわたる自動車部品製造の経験と技術力です。親会社であるNHKニッパツ(日本発条株式会社)は、自動車の足回りの懸架ばねやシートを中心にグローバル展開を進めてきました。約50年前から海外進出を開始し、現在では各拠点でお客様に柔軟に対応できる体制を整えています。


事業戦略としては、まず安全を最優先にし、品質の高い製品を提供することが基本です。また、従業員とその家族にとっても良い会社であり続けることを目指しています。


地域のコミュニティとの連携も大事にしており、グアナファト日本人学校には寄付を行うなどして、日本人学校の生徒の皆様にも馴染みのある企業になれたらと思っています。


MEXITOWN: トランプ政権の政策が貴社に与える影響についてはいかがでしょうか?


村上社長:関税政策に関しては、一部の製品がアメリカに輸出されるため影響を受ける可能性があります。しかし、現在のところ、弊社の多くの部品はメキシコ国内でアッセンブリーされているため、大きな影響はないと考えています。


また、鉄鋼材料の調達に関しては、日本から仕入れた母材をアメリカの二次加工メーカーへ送る工程があります。これまで関税はかかっていませんでしたが、今後はその影響を考慮し、できる限り早期に輸送を完了させるなどの対応を進めています。


一方で、移民政策の影響については、アメリカのグループ会社で一時期メキシコ人労働者の減少による供給網の混乱が懸念されていました。しかし、現在はそちらも解消され、経営に直結するような大きな問題にはなっていません。


メキシコは一年中過ごしやすい



MEXITOWN: メキシコに赴任されて1年が経過しましたが、印象の変化はありましたか?


村上社長:赴任前に何度か出張でメキシコを訪れていたため、大きな違いは感じませんでした。ただ、実際に住んでみると短期滞在では分からなかった点が見えてきました。


特に、メキシコ人の人柄については予想と違う部分がありました。フレンドリーで話しやすい一方、会社の会議では意見を求めても恥ずかしがる方が多く、自己主張が控えめな印象を受けました。これは日本人に近い部分があるかもしれません。中国にも5年半駐在していましたが、中国の方々は積極的に自己主張する傾向がありました。それと比較すると、メキシコの方々は少しだけシャイに感じますね。


MEXITOWN:メキシコは村上社長にとって居心地がいいんですね。


村上社長:そうですね。メキシコに自分はあっていると思っています。何といっても気候は最高です!一番好きなのは夏です。カラッとしているため、日本の過ごしにくい夏の暑さと比べたら過ごしやすいですね。冬もそれほど寒くならないのも気に入っています。今年1月にアメリカのミシガン州に出張することがありました。その時ミシガン州には大寒波がきており、マイナス23度が最高気温でした。空港降り立った瞬間、命の危険を感じるほどの寒さでした。メキシコに戻ってきたときに快晴で暖かい天気だったので、とてもほっとしました。 


MEXITOWN: 週末はどのように過ごされていますか?


村上社長:赴任当初は生産現場が混乱しており、週末もほぼ休みなく働いていました。しかし、ようやく落ち着き、最近では日曜日に休めるようになりました。時間ができた際には、近郊の都市を旅行しています。


これまでに訪れたのは、ケレタロ、サン・ミゲル・デ・アジェンデ、グアナフアト、メキシコシティ、グアダラハラなどです。特にグアダラハラは素晴らしく、11月に出張者と1泊2日で訪れましたが、大変良い経験になりました。


また、メキシコシティではルチャ・リブレを観戦し、その熱気に圧倒されました。今後もまだ行けていない場所を訪れたいですね。例えばティファナは行ってみたいです。治安が懸念されていますが、国境沿いの街ということで大変興味があります。



より良い製品を提供していきます!


MEXITOWN: 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。


村上社長:メキシコでの生活は非常に快適で、特に気候が素晴らしいと感じています。仕事だけでなく、週末には観光や新しい体験を楽しむことも大切です。また、スペイン語の習得も重要だと実感しており、メキシコの魅力をより深く理解するために努力を続けていきたいと思います。


これからもNHK Spring Mexicoは、お客様と誠実に向き合い、より良い製品を提供していくことをお約束します。引き続きよろしくお願いいたします。


MEXITOWN: 本日は貴重なお話をありがとうございました!


※1 このインタビューは2025年2月に実施されたものです。


<経歴>

1969年神奈川県横浜市で生まれる。1994年3月に慶応義塾大学卒業後、同年4月ニッパツ入社し、2004年には同社中国現法に出向(5年半)。帰国後、日本で約14年勤務した後2024年より現在のメキシコ現法にて勤務。趣味は野球と日本酒。


NHK Spring Mexico

Av. Río Ota 462, Río Ota 462, Parque Tecno Industrial Castro del Río, 36810 Irapuato, Gto.


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