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写真家・篠原誠二の世界観:メキシコのシンボル、サボテン



篠原誠二のサボテン写真は、その独特な魅力と技術によって観る者を引き込む力を持っています。彼の作品は、サボテンというメキシコのシンボルをテーマにしつつ、その持つ荒々しさや美しさを白黒の世界で表現しています。この表現方法によって、サボテンの花や実のごつごつとした質感が強調され、自然の力強さと繊細さが一層際立ちます。



篠原の作品においてまず注目すべきは、彼の構図へのこだわりです。各写真において、サボテンの形状や配置が緻密に計算されており、観る者の視線を自然と引き込む効果を生み出しています。背景の処理や前景とのバランスなど、細部にまで気を配った構成が、彼の写真に独特のリズムと調和を与えています。



また、白黒写真という媒体を選ぶことで、色彩に頼らず形や質感そのものを際立たせることに成功しています。光と影のコントラストを巧みに利用し、サボテンの棘や花びらの細部がまるで彫刻のように浮かび上がる様は、見る者に強い印象を与えます。この技法は、サボテンの厳しい環境での生存力や、メキシコの自然の厳しさと美しさを一体化させる効果を持っています。


篠原誠二のサボテン写真は、単なる植物の記録写真を超えて、芸術作品としての価値を持っています。彼の写真を通じて、サボテンが持つ生命力やその背後にある物語を感じ取ることができるのは、篠原の鋭い観察眼と卓越した技術によるものです。


 

※写真の無断転載・商業利用はご遠慮ください。




MEXITOWN 篠原誠二氏のインタビューはこちら


 

経歴:

篠原 誠二 Seiji Shinohara

北海道生まれ。26歳の時にメキシコに渡墨。メキシコ在住歴46年。

公益社団法人 日本写真協会 会員

COPARMEX グアナファト州 レオン地区 文化担当顧問

CLUB FOTOGRÁFICO DE MEXICO A.C. Fundado1949 国際文化交流理事

(社) 日墨協会 FOTO CLUB AZTECA NIPPON 代表

1995年~1996年日墨協会事務局長

2015年~2016年日墨協会理事 広報出版部長

これまでにメキシコシティ、モンテレイ、レオン、トルーカ、タパチュラで23の写真展を開催。


著書:"移民一世の肖像Retratos de los Inmigrantes Japoneses"(Comunidad Japonesa en México Actualmente Fotógrafo oficial Fuji Film, 2009)

"日系二世の肖像 Retratos de la Segunda Generación de Japoneses"(Comunidad Japonesa en México Actualmente Fotógrafo oficial Fuji Film, 2011)

"日系三世の肖像 Retratos de la Tercera Generación de Japoneses"(Comunidad Japonesa en México Actualmente Fotógrafo oficial Fuji Film, 2013)

"ARROTILLA 日本―メキシコ国際結婚の結実 Los Matrimonios de Japoneses y Mexicanos" (Comunidad Japonesa en México Actualmente Fotógrafo oficial Fuji Film, 2015)

“Mi Mexico 俺のメヒコ” (2022)

 

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