“きらっと光る会社”を目指して|NH Foods Mexicanaが描く次のステージ
- Shoko Wen
- 8月4日
- 読了時間: 6分

1998年に設立された日本ハムのメキシコ現地法人であるNH Foods Mexicana。現在はアメリカ市場への食肉加工製品の輸出や日本市場への豚肉のトレーディングを手掛けています。今回は今年の4月より社長に就任した徳田様と副社長の庄司様に、現地での活動や今後の展望、そしてメキシコならではの食文化について伺いました。
<目次>
食肉の製造とトレーディングのエキスパート
「食べる喜びをお届けする」を掲げて
肉料理がメキシコ料理の中心
シャウエッセンとメキシコのソーセージの違いとは?
「日本の食文化」と「メキシコの豊かな食材と文化」の架け橋として
会社情報
食肉の製造とトレーディングのエキスパート

ー まず、御社のメキシコ拠点での事業について教えてください。
徳田様:NH Foods Mexicanaでは、現在大きく2つの事業を展開しています。1つは、メキシコ国内で製造された食肉加工品のアメリカへの輸出。もう1つは、豚肉のトレーディング事業です。
1998年の設立当初は食品製造工場も抱え、100人以上のスタッフが在籍していました。2021年に自社工場を売却し、現在はOEM(委託製造)という形で商品を製造しています。グアダラハラにあるオフィスを拠点に事業を展開しています。

私たちがアメリカに輸出している商品は、チャーシューや牛丼の具が中心で、日系スーパーや日本食レストランでご好評いただいています。すべて業務用ですが、メキシコ国内でも卸売業者を通して販売しており、レストランなどで口にされたことがある方もいるかもしれません。
「食べる喜びをお届けする」を掲げて
ー 今後の戦略や展開についてお聞かせください。
徳田様:私たちは日本ハムグループの一員として、「食べる喜びをお届けする」という企業理念のもと、「タンパク質をもっと自由に」というビジョンを掲げています。
特に注目しているのは、アメリカ市場へのさらなる浸透と拡大です。アメリカは世界最大の消費国であり、変化の激しいアメリカでは、逆に小回りのきく我々のような会社にチャンスが多いと考えています。現地のニーズに合わせて柔軟に商品開発を進めていきたいです。
また、将来的にはメキシコ国内での販売も拡大し、日本ハムグループ全体としてもメキシコを大切な拠点に育てていきたいと考えています。
肉料理がメキシコ料理の中心
ー メキシコと日本では食肉の嗜好に違いがあると思います。どのような違いがあると感じますか?
徳田様:メキシコには非常に豊かな食文化があります。マヤ文明時代からの鶏肉の食文化、そしてスペインから持ち込まれた牛肉や豚肉、山羊が、今のメキシコの食肉文化の土台を作っています。タコス、エンチラーダ、カルネ・アサダなど、肉料理はメキシコ料理の中心ともいえます。
食肉の消費量で見ても、鶏肉が一人当たり年間約30kg、豚肉が約22〜23kg、牛肉が約15kg程度と、日本の約1.3~1.4倍の水準です。人口が増え、若年層が多い国ですので、今後も食肉需要は伸びていくと見込んでいます。
嗜好の面では、メキシコではスパイスや辛味を利かせた味付けが好まれます。一方、日本は素材の味を生かしたシンプルで繊細な調理法が主流。食文化の違いが如実に表れる分野ですね。
シャウエッセンとメキシコのソーセージの違いとは?
ー 日本とメキシコの食文化の違いで、ソーセージの違いも上げられます。特に御社の主力製品である「シャウエッセン」のようなパリッとした食感のソーセージがメキシコでは中々味わうことが出来ません。
庄司さん:日本とメキシコのソーセージの違いは2つあります。1つはソーセージの原料を詰める袋のケーシング、もう1つは中身で使われている材料です。
日本で多くの方々に親しまれている「シャウエッセン」のようなパリッとした食感のウインナーは、羊腸のケーシングと粗挽きにした肉が特徴です。
一方メキシコでは、豚腸のケーシングが一般的で、中身も細挽きやミックス肉が多く、結果として日本人が想像するソーセージとは大きく異なる印象を受けます。価格も抑えられているぶん、味や食感に違いが出ますね。
メキシコに住む多くの日本人の方からシャウエッセンを是非輸入してほしいというお声もいただいておりますが、将来的にはそうした弊社の商品をメキシコで製造できたら良いと思っています。
「日本の食文化」と「メキシコの豊かな食材と文化」の架け橋として
ー 今年4月にはアグアスカリエンテスのサンマルコス祭にも御社は参加されていました。サンマルコス祭での反響はいかがでしたか?
徳田さん:サンマルコス祭では、日本が招待国として参加し、私たちもチャーシューを提供しました。大きな屋台での販売は非常に盛況で、多くのメキシコ人の方々にも「美味しい!」と好評をいただきました。飲み物とのセット提供から始めたのですが、「チャーシューだけ追加で」と頼まれることも多かったです。
今後もこうした文化イベントには積極的に参加していきたいと思っています。今年7月にはロサンゼルスでの「Anime Expo」にも参加予定で、チャーシュー丼スタイルでの提供を計画中です。メキシコ国内でも、ラーメンだけでなく炒飯やおつまみなど多用途で使えるチャーシューを広めていきたいですね。
ー 最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。
徳田さん:私は今年4月に赴任したばかりですが、メキシコという国には大きな魅力を感じています。商売の難しさはあるものの、人の温かさや日常の中での出会いに救われることも多いです。
日本ハムグループの中でも、ここメキシコは将来的に非常に重要な拠点になると考えています。「きらっと光る会社」を目指して、今後も努力と挑戦を重ねていきたいです。メキシコは可能性を秘めた国だと思っています。
庄司さん:もしToyo Foodsなどの日系スーパーで弊社が製造するチャーシューを見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。また、日本からの輸入は難しいですが、メキシコでおいしい日本の味をお届けできるよう、今後もチャレンジを続けていきます。
さらに、教育機関やイベントなどでの食育や日本食の普及活動にも力を入れていきたいと思っています。もし何かご一緒できる機会があれば、ぜひお声がけください。
NH Foods Mexicanaは、「日本の食文化」と「メキシコの豊かな食材と文化」の架け橋として、これからもチャレンジを続けていきます。
会社情報
NH Foods Mexicana
Av.Patria 1501 Col.Jardines Universidad Zapopan Jalisco C.P.45110 Mexico
Tel:(52)33 3682-08552 / 33 3682-0546
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